NC07保存会が製作するCBX400F復刻パーツのこだわり

CBX400F純正復刻シート

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CBX400Fが誕生した1981年、自動車を始めとする産業界では、すでに3DのCADデータによるマシニングセンターでのプラスティック成型が導入されていました。データ上で対象商品及び金型のモデリングを行うCADデータは、そのマスターデータをダイレクトに工作機械に伝えるため、生産工程を大幅に短縮すると言う、金型製造に劇的な変化をもたらしました。また立体物のすべてを完全な直線とアールで描き、精度の高い金型切削を可能としていたので、成型された商品は完成度が高く、非常に整った印象を受けます。事実、CBX400Fも、そのほとんどのプラスティックパーツがCADデータにより成型されていました。しかし何故かシートベースは、倣い加工と呼ばれる、それまでの加工方法で成型されていたのです。
倣い加工とは、マスターモデルの表面をなぞって得られる三次元座標値を工作機械のサーボモーターへ伝え、三次元形状に切削する加工方法です。CADデータによる成型に比べ、加工精度が低く、最終段階で現物あわせの金型修正が必要不可欠でした。最終工程を手作業で行うために、直線は直線、そしてアールはアールと言ったCADデータによる成型とはほど遠い仕上がりとなります。事実CBX400Fのシートベースも、完全な直線とアールのみでは成型されていません。つまり手作り感のある、どこか不完全な仕上がりが倣い加工の特徴と言っても良いでしょう。

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3Dキャドデータによって作成された、CAMデータ(3次元の図面)を元にマシニングセンターで切削により作成されたABS樹脂削り出しの試作品 
※射出成型品(本製品)ではありません 
実際の製品の材質は純正と同じPP(ポリプロピレン樹脂)

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保存会の認めた開発姿勢

今回、CBX400F用シートベースの開発に当たり、NC07保存会では、3次元測定器と200箇所以上にも及ぶアール測定など、純正シートベースを徹底的に分析。不完全な直線、そしてアールまでも、限りなく純正に近いモデリングに成功しました。もちろん素材も純正パーツと同じ、ポリプロピレンを用いています。
CADデータによる成型が主流となりつつあるなか、何故シートベースが、倣い加工で成型されたかは、今となっては知るよしもありません。ただ直列四気筒スーパーモデル、そしてレーサーレプリカへと高性能化していくモーサーサイクルに対して、なにかホンダからのメッセージが込められているような気がします。
不完全な仕上がりまでも再現したCBX400F用シートベース。その不完全な美しさの中に込められたメッセージを全国のCBX400Fユーザーにお伝えします